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特別養護老人ホーム/あじさいグループチーフインタビュー

渡辺 理恵子

介護職(正社員)あじさいグループ チーフ

——自己紹介をお願いします。

特別養護老人ホーム「かないばら苑」内の、「あじさいグループ」でチーフをしています。
かないばら苑は、大きく分けて6グループあり、その内の一つがあじさいグループです。あじさいグループは、認知症や病気などの疾患がある方が入居されています。現在は、24名の方がいらっしゃいます。

かないばら苑に入職して、8年目になります。最初は、週3〜4日、1日3時間程度の入浴パートとして働き始めました。3〜4年パートとして勤務し、その後、常勤の職員として働くようになりました。

常勤の職員として働きたいと思った理由は、もっとご利用者さまの生活に寄り添いたいと思うようになったからです。入浴の業務だけですと、高齢者の方と交流できる時間は40分くらいしかないんですね。
「入浴以外の時間はどうやって過ごされているのだろう?」、「サポートさせていただいてるご利用者さまのことをもっと知りたい」、そう思い、介護の資格を取得しました。

資格の取得後は、介護士としての勤務時間や業務内容も増えていきましたね。
今では、フルタイムの勤務、夜勤などもやっています。

——仕事内容について教えてください。

現在は、介助全般の業務に携わっています。朝は着替えやお顔を拭くなど、モーニングケアをします。その後、食堂に集まり、食事をとります。

朝ご飯が終わった後は、コーヒーを提供しています。このタイミングでトイレのお手伝いなどをしていますね。落ち着いたら、午前のレクリエーションになります。身体を動かしたり、カラオケ大会などいろいろなことをやりますね。
レクリエーションが終わるとすぐにお昼の準備が始まります。梅雨や夏は脱水が心配なので、食事中も水分をとっているか確認するなどの工夫をしています。

昼食後は、ご利用者さま各自で自由に過ごしていただいています。15:00くらいになったら、午後のレクリエーションを実施します。

コロナ前は、ボランティアの方に来ていただくこともあったのですが、今は難しいので、職員ができる範囲であらゆるレクリエーションに取り組んでいます。最近はフラワーアレンジメントや書道などをやったりしましたね。
レクリエーションが終わったら、おやつの時間です。この時間帯も、ご利用者それぞれ自由に過ごされています。

夕方になったら、夕食の準備と介助を行います。夕飯の後は、寝る前のナイトケアを行います。トイレの介助や、薬の飲み忘れがないかチェックします。

日勤は大体このようなスケジュールで働いていますね。

夜勤の場合は、見守りが主な業務になります。寝返りが打てないご利用者さまもいらっしゃるので、褥瘡(じょくそう:床ずれ)になってしまわないよう、3〜4時間に一回、身体を動かしてあげて血液の循環を良くしたり、身体への圧迫を分散させたりします。
その他に、ナースコールがあれば対応しています。

今年の7月からはチーフとして、介護職の業務に加えて、苑全体の事業会議や、特養部門内での情報共有を行うための介護会議への参加、グループの職員の相談、その他書類業務などを行なうようになりました。

——入職した経緯を教えてください。

最初はお小遣い稼ぎの感覚で応募したんです。自分の子どもがまだ学生だったので、自宅から近いというのも、かないばら苑に応募した理由のひとつです。
このくらい稼ぎたい!という気持ちがあったわけではなく、子育ても少し落ち着いてきたので、隙間時間で働いてお給料がもらえたらいいな、くらいの感覚でした。

そういう意味では、心の余裕を持ちながら働き始めたのが、長く続けられているポイントかもしれませんね。

——パートから正社員になる上で、大変だったことはありますか?

大変という感覚はありませんでしたね。それまで、介護とは無関係の仕事や生活をしていたので、ゼロから新しく知ることが多く、楽しかったです。

また、かないばら苑で働きながら勉強をしていたので、先輩職員の方や、上司の方などに教えていただける機会も多く、有り難かったです。みなさん丁寧で、根気強く教えてくださったので、すっかり甘えさせてもらって、育てていただきました(笑)

大変だったり、苦労したというよりは、楽しくて、福祉の世界に引き込まれるようにここまでやってきたという感じがします。

——働く上で大切にしていることは何ですか?

ご利用者さま一人ひとりに目を向けることです。あじさいグループは、24名いらっしゃるのですが、全員を24時間見守るという視点ではなく、一人ひとりの24時間の中の不便さを解消できるようなお手伝いができたらなと思っています。

十人十色という言葉がありますが、本当にその通りで、24名もいらしたら、ライフスタイルもバラバラになってきます。
苑として決めている1日の流れや、個別の計画書などはありますが、ちょっとした部分で、ご利用者さま一人ひとりに適した対応をしないといけないなと思っています。

——かないばら苑はどのような場所ですか?(職場環境や人について)

緑が多く、落ち着いた場所にあります。豊かな自然に囲まれていて、癒される、素敵な場所なんです。
実際にお越しいただくと、より癒しを感じていただけると思います。

働いている職員のみなさんは、心優しい方ばかりで、とても働きやすいです。人の命を預かっている現場なので、時に厳しく真剣に仕事に向き合う職員も多く、お互いに信頼関係を築き合いながら働いている方が多いと感じます。

繰り返しになってしまいますが、とにかく優しい方が多く、私も甘えさせてもらうこともありました。その経験から、誰かに頼ってもらった時にちゃんと自分がサポートしてあげようと思いながら、みなさんと接しています。
他の職員の方も、同じような考えで働いている方が、ほとんどだと思いますよ。

あじさいグループは、20〜 60代と幅広い年齢層の職員が働いています。年代によってさまざまな価値観や考え方があると思いますが、お互いに協力し合い、良いチームワークの中で働いています。
これからグループとしてもっと良くしていくための課題はあるけれど、みなさん自分の仕事に責任を持ち、一生懸命働いてくれています。

——かないばら苑で働くには、どのような人が向いていますか?
また、どのような人と働きたいですか?

向き不向きは、正直やってみないとわからないですね。大切なのは相手を思いやる気持ちや、尊重するということだと思います。特にこの現場では、年長者への接遇が不可欠かなと思います。

あとは、働いている中でもどかしいことや、自分の中だけでは解消しきれないことがあった時、どうやってそれを発散していくか、ということを考えることも大切ですね。
一人で抱え込むと、どんどんストレスが溜まってしまうので、なるべく共有して解決していく、発散していく必要があると思います。

例えば、ご利用者さまに寄り添ったケアをするには、自分の思いと違うケアをしないといけないこともあると思います。それを自分の中で理解して受け入れられないと、トラブルや重大な事故・事件へと繋がってしまいます。
1対1だけでケアをすると、このような問題が発生しやすくなってしまうため、職員同士で情報共有をしながら補い合い、一人のご利用者さまを、いろいろな方面からケアしていけたら、気持ちよく働いていけるのではないかと考えています。

そういう意味では、私はどんな人とでも働きたいです。職員の数だけ、モノの見方や捉え方があるはずで、それらが多いほど、ご利用さまにとって最適なサポートをしてあげられると思います。

——今後の目標を教えてください。

今後は、あらゆるところから情報を集めて、私たちが、そしてかないばら苑ができる限り、ご利用者さまに適したケアをできるようになりたいです。

世の中では、高齢者社会といわれていますが、実際の高齢者の方は、体力的にも精神的にも元気な方が多いです。一方で、認知症の進行が早い方が多いなど、今までの介護のやり方では対応できない方も増えています。
あじさいグループも、私が働き始めた頃は、重篤な疾患のある方をサポートするグループでしたが、最近は重篤ながらも活発な人が多く、ケアする内容も一つにこだわらずご利用者さまの状況に合わせて柔軟に対応できるように取り組んでいます。

今までやってきた介護にこだわるのではなく、これからの介護にも目を向けて対応していきたいですね。

——最後に、応募者へメッセージをお願いします!

介護という言葉や仕事は、特別ではなく、私たちが家で過ごすのと同じように、ご利用者さまが生活できるようなお手伝いをしています。

これまで別の業界で働いてきた方や、他の介護業界での経験がある人など、かないばら苑では、その方の人生や経験を大切に働ける場所です。
私も未経験で入職後、介護福祉士の資格を取得し、今はチーフとして働いています。
ちょっとの空いた時間で何をしようか悩んでいたら、躊躇せずにぜひ見学にいらしてください!