1. HOME
  2. インタビュー
  3. 看護師(訪問看護)インタビュー

看護師(訪問看護)インタビュー

木下 元子

看護師(訪問看護)

——自己紹介をお願いします。

看護師として働き始めたのが大学病院で、15年間勤めていました。50歳を目の前に介護をやりたいと思い、自由に働ける雰囲気を感じたため、大学病院を辞めてかないばら苑に入職しました。

大学病院からすぐに福祉の世界に入ったのでカルチャーショックがあり、最初は、介護職や医療的な知識のない人と一緒に仕事をする難しさを痛感した面もありました。
看護師は特に情報共有が重要な世界だったのに、ここではその情報がなかなかこないことも多く・・・
福祉の現場もチームワークが大事なのですが、慣れるまでに3年くらいは必要でした。もちろん、今は改善されていて、チーム内で連携もしっかりとれています。

振り返ってみると、そもそも教育の基本が違うので、自分の中で難しいこととか、無意識に医療や専門用語とか使っているかもしれないと。そこで思い切って働き方を変えたんです。

私が入職した時にかないばら苑が「看取り」を開始したんです。当時はほかの川崎の施設でやっているところがほとんどなかったんですよね。
私は特養の方で12年くらい看護婦の主任をやっていて、その後訪問看護を立ち上げてほしいということで、発足してまる4年になるんですが、特養で学んだ看取りが活かされていますね。

特養に入るご利用者さまの多くは、ご家族が在宅介護にで苦労し疲弊して、入所を希望する方が多いことです。

その方のご家族から私たちがバトンタッチをするとなると、ご家族さまの背景や、どんな思いで特養に入ったかというのもスタッフに共有しないといけない。
そういう情報をいかに得るか、そのためには家族の想いに寄り添うことが大切なんです。

訪問看護は、基本一人でご利用者さまの家へ伺って業務をするので、責任感が違います。
何か一つでもお手伝いできることがあれば、ご利用者さまにとって在宅生活のモチベーションにつながるし、ご家族からも感謝されます。

訪問看護は、自分に返ってくるやりがいと働きやすさを両立しながら、スキルを磨く仕事だと思っています。
病院はスタッフや先生がいますが、訪問看護は自分の責任で看護を提供しないといけませんからね。それに、ある程度のスキル、問題を予測する能力が必要なので、嫌厭されがちなんですよね。
正直、それは経験で積んでいけるので、まずは飛び込んでみてという感じかな。
私も訪問看護の経験がなく、飛び込みでやってきましたし、これまでの経験ずっとそうでしたね(笑)

——看護の仕事を目指したきっかけを教えてください。

正直看護婦さんへのあこがれはなく、「人のために」とか皆さんが世間で抱くようなものは全くありませんでした(笑)
職業的に一生食べるのに困らない資格がほしいなと思っていて、いろいろ悩んだけど、看護師でした。

看護師になるにはどういう条件が必要なのか、メリットを色々調べてみたら、一生ものだと、70歳過ぎても看護ができることを知りました。
当時の自分は結婚してもずっと働きたいと思っていましたし、一生働けるのであれば自分一人の足で生きていけると。

看護師は給料がいいですし、働ければ働くほど技術もつくし、それがずっと活きるのはいいなと思いましたね。
実際子供を出産して休んだのも6ヶ月だけで、それ以外はずっと働いていました。働いてしまえば生活スタイルが慣れるので、そんなに大変ではなかったです。子育ても主人が手伝ってくれてましたし。
周りにも働きながら子育てしている人がたくさんいたので、その時期はお母さん仲間と一緒に育てていました。今思えば、環境面でも恵まれていました。

——業務内容について教えてください。

訪問看護は、ケアマネさんや医師から依頼がきて、その内容にそって業務を行う。私たちから自主的にやるのではなく、基本依頼があってやるという感じです。
ご利用者さんの健康状態の確認や、食事の面、お薬など、在宅生活を長く続けられるようサポートしていきます。

最近は、認知症の方の在宅生活を支える機会も増え、身体的・精神的なサポートも行っています。薬を飲んだことを忘れてしまったり、ちょっとした小さなことを見逃すと、認知症の症状が進むので、慎重に行う必要があります。
特に老老介護だとなかなか情報が得られないので、トータルで生活が支えられるよう、私たち訪問看護の支援が必要となります。訪問看護の基本的なケアも大切ですが、認知症の人のケアも今の時代は必要と考えています。

かないばら苑独自の取り組みとして、在宅での「看取り」のお手伝いもしています。
看取りをする際、デイサービスやショートステイを利用したりすることもあります。法人内の訪問看護なので、情報共有と責任の所在がはっきりしているのがいいですね。
在宅看取りはご家族の方にとってケアに疲れてしまうので、私たちが可能な限りサポートに入っています。在宅の場合、本人の体に負担がないような看取りの傾向になってきますし、ご利用する方によって対応していくことも変わってくるので、そこは臨機応変に対応していますね。

管理職としての仕事は、川崎市の訪問看護ステーションの集まりに出席したり、研修の誘いがあるので、他のスタッフに伝えたり、法的なことで変わったことを伝えたり、訪問のケースに困ったという時はアドバイスも行っています。
かないばら苑では、この人が管理職だから、この人がスタッフだからというのはなく、お互いに自由に意見を言い合って、困っていたら声かけたり、問題があったら必ず報告してくれるので連携面はバッチリです。
ご利用者さまや他のスタッフの状況、支援の概要を把握するための情報収集は必ず行いますし、スタッフも何かがあったらきちんと報告や相談をしてくれるのでし、頼りにしていますね。

訪問看護は勉強も必要なので、時間があれば勉強しますし、本当は研修なども実施したいんですが、なかなか時間を取れないので、今後はできたらいいなと思ってます。

——職場の雰囲気について教えてください。

今いるメンバーの大半は、訪問看護を立ち上げた当時のメンバーなんですね。なので、お互いに性格や人となりを知っているので、コミュニケーションもスムーズにできてますし、言いたいことは言いあえる環境ではないでしょうか。 チーム内でトラブルがあったとしても、その人たちの問題を解決しないと次に進めないので、何かあれば私から積極的に周囲と話すようにしています。 情報のやり取りは、他の施設よりしっかりできていると感じますし、お互いに得意分野があるのでうまく役割分担をしながら良いチームワークで仕事ができています。できないものをその人にやらせて、その人が困ってモチベーションが下がるというのはないかなと。 物事をしっかり言えない人がいるかもしれないけど、うちは話しやすい雰囲気ですし、上下関係もフラットなので、私は風通しがいいと思っています。 たまに意見が食い違うこともあるけど、そこは仕事としてちゃんと話し合うようにしています。

——応募者にむけてメッセージをお願いします。

訪問看護師というのは、やりがいのある仕事だし、社会性も身に付くので、興味があればぜひトライしてみてください!
勉強したことが看護師としてのスキルアップにつながりますし、なにより、訪問先のご利用者さんから「ありがとう」という言葉が聞ける、とてもやりがいのある仕事。人を思いやる、人に寄り添うってこういうことなんだだってわかります。

また、先程も少しだけ話ましたが、かないばら苑独自の取り組みとして、「看取り」もやっています。
医療的な看取りとやっていることはかなり違うので、在宅看取りに興味がある方はぜひいらしてください。

まだ日の浅い訪問看護ステーションなので、自分がやりたい、働きたいという気持ちがあれば自ずと道は開けていく環境です。
大変そうというだけで嫌厭するのではなく、思い切って飛び込んで挑戦してもらえたら嬉しいですし、私たちもサポートします!