特別養護老人ホーム/介護職 チーフ

南雲 明日香
特別養護老人ホーム/介護職 チーフ
——自己紹介をお願いします。
かないばら苑の特別養護老人ホームに新卒で入職して、今年で4年目になります。トマトきぼうグループでチーフをしています。
私は子どもの頃から祖父母と暮らしていたので、ずっと高齢者の方をサポートしたいという思いがありました。施設をご利用の皆さんがそれぞれの生活を過ごされていく中で、どのようなケアを行って、どのような看取りをするのか、かないばら苑で学びながら仕事をできればと思いました。
——仕事内容について教えてください。
1日通して、ご利用者さまの排泄や食事、寝るまでの全体的なケアをさせていただいています。1日の流れとしましては、まず7時前後から、起床のお手伝い。7時半過ぎに朝食が始まるので、食事の介助を行い、そのあとは排泄介助、トイレ誘導などを行っています。10時になりましたら皆さんにコーヒーを配る時間があり、12時頃が昼食の時間です。
午後は、14時ぐらいになりましたら、1日1回グループ全体のレクリエーションを行っています。カルタや皆さんで歌を歌ったり、個別ケアとして爪切りや男性のご利用者さまの髭剃りなどもこの時間に行います。
その後は、皆さんにおやつをご提供し、夕飯が8時前になります。最後のナイトケア、就寝ケアに入り、1日の流れは以上です。
日々のケアは他の職員の皆さんと同様に行っていますが、チーフとしてはご利用者さまの請求業務や全体会議に出席し情報共有することもあります。まだ、チーフに成り立てですが、チーム自体も私自身もメリハリを持って日々のケアを行い、ご利用者さまにとって良いケアを行いたいです。
私がチームの背中を押していけるような存在でありたいと考えております。
また、私のグループでは月に一度必ず企画というものをやっておりまして、 基本食事を召し上がることが大好きな方が多いので、食事企画を行っています。四季に合わせて、クリスマスだったらケーキを届けていただいてケーキ企画を行ったり、 お寿司企画だったり、ご利用者さまが食べたいものを考える企画です。
少し前はケンタッキーのチキンなどを皆さんで召し上がったり、夏は流しそうめんなどを企画しています。
いつもは苑で提供される食事をあまり召し上がらない方が、それこそケンタッキーチキンを自分からたくさん召し上がっていたりします。
皆さんやはりこういうものも食べたいのだと思いましたし、その一つひとつの食事企画がご利用者さまとの思い出となっていますね。普段あまり召し上がらない方がおいしいものを食べているのを見ると、本当に嬉しく思います。
——働く上で大切にしていることは何ですか?
実は現在、コロナ禍以前に実施していたご家族の方と会える機会や、ボランティアの方が協力してくださっていた、動物と触れ合うアニマルセラピーの機会が格段に減ってしまっています。
その中でもご利用者さまと過ごしていく上で、その時その時、思い出に残るようなことをずっとしていきたいなと思っています。それこそ、企画を実施して、皆さんと美味しいものを食べて思い出を作ることもその一つです。
日々の他愛無い会話でも自分の昔のことをお話してくださったり、今の気持ちを伝えてくださったり、ご利用者さま一人ひとりにさまざまな思い出があるので、それを尊重して日々のケアをしていきたいと思っております。
——かないばら苑はどのような場所ですか?
かないばら苑で働いている職員はさまざまな方がいます。職種でいうと、介護職はもちろん、看護師さん、相談員さん、ケアマネージャーさんや事務の方、お掃除の方が一緒になって働いております。
職場の雰囲気は皆さんやるときはやる、ご利用者さまと楽しむときは楽しむというメリハリをすごく大事にして働いている印象があります。
一人ひとりのご利用者さまの生活を考えて、各グループで「一緒にこういうケアをしていこう」「こういうケアは好きではないようだから、次こっちにしてみよう」というように、偏ったケアだけにとどまらず、多くの視野でアドバイスや意見を出し合って、その人にとってより良いケアをしていけることもつよみですね。
ひとりがずっと喋っているということはなく、皆さん幅広く誰でも意見をしやすいような環境があると思います。
——今後の目標を教えてください。
私自身、看取りに重点を置いておりまして、息を引き取る瞬間、必ず誰かがそばにいることがまず必要だと考えています。やはり何十年と生きてこられた方が、最後、息を引き取る瞬間に、誰も近くにいないというのは、ご本人もご家族も、そして私自身も、なんとも言えない気持ちになってしまうと思います。
看取りのケアに移行したタイミングで、どのようにしたらご利用者さまにとっていい最期を迎えられるかは、今後の課題だと感じています。
例えば、私が入社してから2〜3年ほど、担当を務めさせていただいたご利用者さまが最近ご逝去されまして、その方はお酒とタバコがすごく好きな方でした。
病院での看取りではお酒も飲めない、たばこも吸えない、そういった最期になります。ですが、かないばら苑のような特別養護老人ホームという施設だからこそできること、介護だからこそできることを考えました。その方はタバコを吸いたいとおっしゃっていたので、ベランダに出て4口ほど吸われました。
みんな一緒の看取りケアではなく、その人その人に合ったケア。その人が最後に何を食べたいか、何をしたいかとかを随時聞き取りながら、今までの生活を介護職が一番よく見ているのでその思いを汲み取りながら、最期の看取りのケアをしたいと思います。
——最後に、応募者へメッセージをお願いします。
私自身も介護を始める前までは、「介護ってどのような業界なんだろう」と思っていました。実際に働いてみると「介護って楽しいけれど難しい」と矛盾を感じる部分はさまざまあり、考えながら日々のケアをしていかないといけないと思っています。
ですが、一人ひとりのご利用者さまに合った介護を自分たちで見つけて提供できるということ自体がすごく素晴らしい職業です。周りから「大変」という声を聞くかもしれないですが、 自分がやってみた上でやってよかったなって思える職業だと思っています。
かないばら苑の場合、新卒の方だと約3か月、中途の方だと約1か月半ほど先輩職員によるOJTがあり、基礎からしっかりと教わり実践できる環境ですので、初めての方でも働きやすいと思います。
介護のことが初めてで何もわからないという方でも、 介護が好きでご高齢の方や福祉に携わる仕事がしてみたいという方でも、少しでもかないばら苑に興味を持っていただけたら嬉しいです。福祉のこと、介護のことを考えたケアに一緒に取り組んでいきましょう。